ウィルス感染症対策に「不特定多数が使うところはタッチレスで!」という傾向が強まっています。
非接触で認識できるRFIDタグは、まさに「タッチレス」に適したツール。
そして今、私たちが一番よく使っているRFIDタグといえば、ピッとかざすだけで使用できる交通系ICカードでしょう。
交通機関での利用はもちろん、コンビニなどで支払いにも利用ができ、キャッシュレス化を促進に一役かった便利なカード。
一般的に交通系ICカードは非接触型であり、リーダに直接触れなくても「かざすだけ」で認識できるのですが、大半の方が直接カードをリーダに「タッチ」して利用しています。
これはきっと、素早く「ピッ」と読み取りをするためには直接タッチした方が確実だからでしょう。だって、エラーが出ると後ろに並んでいる方にも迷惑かかっちゃいますもんね。
そして、ちょっと読取箇所から外れるとエラーが起きやすいため、事業者側も「タッチ」することを促しています。
でももし、ちゃんとタッチしなくてもエラーが出ないのであれば、皆タッチしないで通過するはず。特に感染予防の観点からみても、タッチしないで通過するのがベターでしょう。
そこで、ちゃんとタッチしなくても読み取りが可能になるカンタンな方法を考えてみました!
単純に考えれば、ICカードを読み取る改札機(リーダ)の出力を上げれば、ICカードを読み取る力が強くなります。ならば、出力をあげたらいいのでは?と思ってしまうのですが、勝手にリーダ側に変更を加え出力を上げて使用することは電波法違反になる可能性もあり、実は簡単ではありません。
そこで、以前マリオの記事でもご紹介した「拡張ループアンテナ」を利用して、リーダに変更を加える必要なく、読み取り範囲を広げる方法をご紹介します。
→ USJ「マリオ」。ハテナブロックを叩いてコインをゲット?!RFIDタグで実現してみる!その①
マリオの例では、RFIDタグ(ICタグ)の読み取り範囲を広げる例をご紹介しましたが、今回はリーダ側の読み取り範囲を広げる例をご紹介。
例えば、図のように「拡張ループアンテナ」を、改札リーダの読み取り付近に設置すると、アンテナを設置しない場合よりも、離れた箇所でICカードを読み取ることが可能になります。この方法であれば、既に設置済の改札リーダに「拡張ループアンテナ」を設置するだけなので、容易に実現できそうです。
会社の入退室に利用するIDカードも、身近なRFIDタグと言えるでしょう。改札と同様に、IDリーダの読み取り部にループアンテナを設置すれば、IDカードを手に持ってタッチする必要はなく、また例えば両手がふさがっている場合でも、IDカードを首から下げたまま、近くに接近するだけで「認識」させることも可能です。
このように、既存のICリーダやICシステムにアタッチメントとして追加するだけでRFIDの読み取り範囲が広がれば、本来の「非接触」の特徴を活かして「タッチせず」に利用するシーンが増えそうですね。