昨今「物流現場にRFIDソリューションを!」とテレビCMからも聞こえてきます。
「RFIDソリューション」。
簡単にいうと「RFIDタグを利用して問題を解決する仕組み」のことですが、RFIDタグを利用すると、実際どんな問題が解決できるのでしょうか?
また、UHF帯とHF帯、どんな違いがあるのでしょうか?
2019年、トッパンフォームズ株式会社から、
「HF帯(NFC)とUHF帯の二つの周波数に対応したICタグ(RFIDタグ)開発した」との記事が新聞等で掲載されました。
2つの周波数帯に対応するRFIDタグが、何のために開発されたのか?
から、周波数帯によって違うRFIDタグの主な特性を簡単にご紹介します。
■HF帯(短距離通信)の主な特性
★1対1で確実に読み取る(通信する)
○近接した短距離(数cm~数十cm)で通信
【現在の利用シーン:製造現場の工程管理・商品、部品のピッキング・医療現場など】
■UHF帯(長距離通信)の主な特性
★複数のモノを一括で読み取る(通信する)
○離れたところ(長距離:数センチ~数メートル)でも通信可能
【現在の利用シーン:棚卸しや在庫管理】
このタグが開発された背景は、製品が出来てから消費者に届くまでのトレーサビリティーを1つのRFIDタグで管理したいということからとか。
ではどのように管理を実現するのか、具体例をあげて見てみましょう。
製品が完成するまで(工場)
(要望)製造現場では、製品毎の各工程のチェックをを確実に行いたい。
→ 1対1で確実に読み取る HF帯のRFIDタグ
完成した製品が消費者に渡るまで(物流現場)
(要望)製品の個数管理(在庫管理・棚卸し)をしたい。
→ 複数のタグを一括で読み取る UHF帯のRFIDタグ
(要望)製品の出庫時、正しい製品をピックアップしたかを確認したい。
→ 1対1で確実に読み取る HF帯のRFIDタグ
(要望)製品の出庫時、ピックアップした個数を調べたい。
→ 複数のタグを一括で読み取る UHF帯のRFIDタグ
製品が購入者のもとへ
(要望)製品IDと購入者情報を紐付け、適切なサポートをしたい。
→ 1対1で確実に読み取る HF帯のRFIDタグ
上記は使用方法の一例ではありますが、このように製品が工場から消費者に渡るまで、それぞれのシーンで適するRFIDタグのタイプが違います。
実際の現場では、「1対1で確実に読み取る」手段として、バーコードが利用されていることが多いですが、これがHF帯RFIDタグに置き換わり、さらにUHF帯を備えた1枚のRFIDタグで製品の管理が出来れば、さらに物流は効率的になるというわけです。
→『「RFIDタグ」と「バーコード」「QRコード」の違いは?』