昨今、タイヤにRFIDタグを実装する動きが進んでいます。
タイヤという特定の資材にRFIDの導入が進むのには何か理由があるのでは?
ってことで、RFIDの導入が加速する理由について調べてみました!
タイヤメーカー大手が中心になってタイヤのデータにアクセスするルールづくりを推進する非営利組織「GDSO」が2022年に設立されました。
「GDSO」は、タイヤデータの標準化やデータアクセスのためのソリューションの定義に取り組んでおり、タイヤメーカー間でタイヤのデータへのアクセスを容易にします。
タイヤ業界では、業界全体でトレーサビリティのためのタイヤ個体識別管理が加速しているようです。
タイヤ業界では20年近く前からタイヤのトレサビ(生産時期やメンテナンス履歴など)にRFIDタグを活用する動きがありましたが、今回一気に実用化に舵を切ったと言えるでしょう。
物流の「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月以降トラックドライバーの長時間労働が規制されること。これにより運転手不足はより深刻化し、物流サービスの提供が困難になると懸念されています。
RFIDをタイヤに実装することで、現場におけるタイヤの点検や管理業務の負担を減らすことが急務とされています。
>> 物流「2024年問題」近く政府の対策示す方針 岸田総理(Yahooニュース 2023/3/28)
>> 迫る物流「2024年問題」運転手不足に懸念、業界対応急ぐ 荷物3割超運べず(Yahooニュース 2023/3/28)
タイヤに限らずモノの個体管理にバーコード(QRコード含む)が普及していますが、バーコードの弱点として、表面が汚れたら読めないという点があります。
タイヤのトレーサビリティには、生産から廃棄まで、そしてメンテナンス履歴なども把握することが必要とされますが、長年にわたり過酷に使用されるタイヤをバーコードで管理するというのは、おそらく不可能といえるでしょう。
RFIDタグは、表面が汚れていても読むことができ、また形状も様々です。
カード型のタイプから、超小型タイプ、金属対応タイプ、防水対応タイプなど、実装したいモノやその使用環境にあったタグを選択することが可能です。
ちなみに、タイヤに実装されるRFIDタグの一つのタイプは「バネの中にタグ入れたタイプ」でタイヤに埋め込んで使用しています。
RFIDタグの主なメリットは、「RFIDタグ」と「バーコード」「QRコード」の違いは?」でも紹介していますが、
などがあります。
しかしながら、バーコードと比較した場合RFIDタグの一番のデメリットは「タグの単価が高い」こと。
以前と比べタグの単価はかなり下がっていますが、資材等に多く使用される金属対応、防水対応など特殊な仕様のタグはまだ安価とはいえません。
なので、実装するモノが、
から、導入が進む可能性が高いといえるでしょう。
逆に、既にバーコードでの管理が定着している業界は、RFIDタグへの乗り換えハードルは高いかもしれません。
世界的に「SDGs」の観点からもトレーサビリティの必要性が叫ばれています。
そして、タイヤのような大きな資材ほど、製造から廃棄までの見える化や管理方法が問われています。
タイヤ業界のように、業界を挙げて取り組みを進める背景があれば、RFIDタグの普及が急速に進む業界もまだまだありそうですね。