大阪メトロの顔認証改札機が、すでにほぼ全駅で実用を開始しています。
2025年の大阪・関西万博を機に本格運用が始まっているのですが「実際に使っている人を見たことがない…」と感じたことはありませんか?
ちょっと気になったので、少し調べてみました!

大阪メトロの各駅に、立派な顔認証改札が設置されてからしばらくの間、改札には「実証実験中」という表示が出ていました。「いつから使えるんだろう?」と心待ちにしていたはずなのに、実用化されても、なぜかピンと来ていなかったのは、なぜだろう…?
その理由はどうやら、顔認証改札を利用している人を、実際に見たことがなかったから!
では、実際どんな人が利用しているの?
大阪メトロで顔認証改札を利用するには、次の手順が必要です。
専用アプリで顔画像を登録し、アプリで購入(または紐づけ)した乗車券と連携して改札を通過する仕組みです。
アプリの利用と顔画像の登録は必須ですが、すべてスマートフォンで完結するので、手続き自体はそれほど難しくなさそう、という印象です。
アプリで購入できるデジタル乗車券には、
などがあります。一方で、
といった、日常的によく使われる乗車券では、現時点では顔認証改札は利用できません!

現時点(2026年1月現在)で顔認証改札のターゲットは、主に海外からのツーリストと考えられます。
1dayチケットや時間制チケットは、日本人・海外の方を問わず使えるはずなのに、なぜ海外の方がターゲットといえるの?
大阪メトロでは、顔認証改札の導入について「大阪・関西万博に向けた取り組みの一環」と発表しています。発表では「国内外の多種多様なニーズに応え、より便利で快適な移動の実現」との記載があり、訪日外国人の利用を強く意識した施策と読み取れます。
また、京成電鉄のSkylinerでは、訪日客向けに顔認証乗車を既に導入しており、駅の混雑緩和やスムーズな移動を目的としています。こうした事例からも「顔認証改札=訪日客向け対応の一環」と考えるのは自然といえそうです。

その理由の一つが、日本では交通系ICカードの利用が圧倒的に多いこと。
日本では、旅行先であってもICカードやモバイルICを「ピッ」とタッチして乗車するのが当たり前になっています。(主に都市部ですが、全国的に普及しています)
一方、海外ではクレジットカードのタッチ決済は普及していますが、交通系ICカードを使った乗車は、あまり一般的ではありません。
チャージの仕組みや、残高不足によるエラーは、クレカ乗車にはない文化のため、戸惑う方も多いようです。
最近は「QRチケット」も増えています。
新幹線でもQR対応が進んでいますが、改札でエラーが発生している場面を見かけることも少なくありません。
特に連休や年末年始などの混雑時には、国内でも普段新幹線を使わない方の利用が多いため、改札で立ち止まってしまうケースが目立ちます。
そこに海外の方が多く利用するQR改札が加わることで、混雑がさらに増してしまうことも。。。
最近では一部の改札を「QR専用」にして、スムーズな動線を確保しようとする対策も見られますが、QRチケットもまた、海外の方には難しいと感じられるようです。
こうした背景から、
海外ツーリストがよりスムーズに公共交通を利用できる手段として、顔認証改札が採用されたと考えられます。
チケットを出す必要も、
カードをかざす必要も、
QRコードを表示する必要もなく、
さらには、大きな荷物があってもそのまま歩いて通過できる(ウォークスルー)のは大きなメリットです。
となると、「顔認証改札は、訪日外国人のための仕組み?」と思われるかもしれません。
しかし実は、外国人対応を強化することは、日常的に利用する日本人にとっても重要!だと考えられます。
混雑した改札で、
といった場面が増えると、周囲の利用者にも少なからずストレスがかかりますよね。
利用者の多い都市部では特に、一部の利用者のエラーが、改札全体の流れを止めてしまうこともあります。
顔認証改札のように「迷わず、止まらずに通過できる仕組み」を用意することは、外国人のためだけでなく、通常使いの利用者がストレスなく移動できる環境を守ることにもつながるといえそうです。
顔認証改札の主なターゲットが海外の方と想定される、もう一つの理由が、
多くの日本人は、今の交通システムに大きな不満を感じていないという点です。
交通系ICカードは、
と、日常利用において非常に完成度の高い仕組みです。
そのため、日本人利用者にとっては、「顔認証でなくても特に困っていない」というのが正直な感覚かもしれません。
だからこそ、顔認証改札が実用化されても、
「便利そうだけど、わざわざ使わなくてもいいかな」と感じる人が多く、
結果として“使っている人を見かけない”状況につながっているとも考えられます。

実は、今後は定期券や区間切符などへの導入も検討が進められています。
JR西日本では、大阪駅(うめきた)や新大阪駅で、交通系ICと顔認証を紐づけた実証実験が実施されています。
まだ実証段階ではありますが、将来的には定期券利用でも顔認証改札が使えるようになる可能性が高そうです。
2026年1月現在、日本国内で顔認証改札が実用化されているのは、
大阪メトロのほかに、
などがあります。
また、JR東日本や地方の路面電車などでも、顔認証による乗車システムの実証実験が進められており、今後さらに導入が広がっていくと考えられます。
一方で、「顔画像を登録すること」に抵抗を感じる方が多いのも事実。
今後さらに普及するためには、安心して顔画像を登録してもらえる仕組みや説明が、重要なポイントになりそうです。
多くの日本人にとって、現状の交通系ICは十分に完成された仕組みであり、大きな不満がないからこそ、顔認証という新しい技術は「急いで使う必要がない」存在でもあります。
一方で、訪日外国人の増加や、万博のような大規模イベント、今後さらに進む人手不足や省力化を考えると、顔認証改札を『新しい乗車方法のひとつとして提案しておく』ことは、鉄道事業者にとってとても合理的な選択といえそうです。
顔認証改札は、既存の乗車方法に加えた、新しい選択肢のひとつ。
定期券や通常利用への対応が進めば、「便利だから使う」という人も少しずつ増えていくはず!
鉄道利用者の大半が、ICカードやスマホを出さずとも、改札を通過する日も近いかもしれませんね!